第2回「スタジオとお金」について書いていきます。
第1回の最後に、スタジオの事を、製作委員会と同じく「一生懸命アニメを作っている仲間」と書きました。
アニメを作るのが大変なのもありますが、スタジオがアニメ作りを頑張るのにはもう一つ理由があります。
それは「アニメの評価=スタジオの評価=最大の営業活動」になるからです。
アニメの評価は、どんなに優れた営業マンよりも効果的な名刺になります。
某有名スタジオの社長が「営業した事が無い。作品の出来が良ければ問い合わせがくる。」と仰っていたそうです。事実、そのスタジオの評価はアニメ業界TOPクラスです。
委員会は、アニメをスタジオを探す時は、スタジオの過去作品を参考にします。良いアニメを作るにも、お金が関係します。
では、「アニメスタジオのお金」を見てみましょう。
スタジオは、製作委員会と制作費など条件が記載された契約書を結びます。
スタジオは、委員会からアニメ制作を任された形になります。 なので、委員会とスタジオは、発注者と受注者の関係になります。
受注者であるスタジオの役割は、完成されたアニメを委員会に納品することです。制作費は、一般的には、委員会から数回に分けて入金されます。
受発注のビジネスをやられている方には「普通は完成物の納品後に入金じゃないの?」と思われたかと思います。
アニメを作るのは、企画から完成まで2年くらいかかります。 ただでさえお金のかかるアニメ制作、完成してから入金では、制作過程でかかる費用を捻出できません。
なので、中間制作物を納品して、それをもって数回に分けて入金していきます。