アニメ制作にかかるお金に関して、他にも委員会の経費にならないお金はいくつもあります。
前回は、委員会収支を数式にしましたが、メンバーの収支を数式にすると
出資者の収支=(役割手数料+分配金)ー(出資金+持ち出しのお金)
となります。
乱暴に言えば、努力による役割手数料と出資比率に応じた分配金、この2つが出資額を上まらないと赤字です。
同じ委員会メンバーでも、
使っている費用と貰った利益の額が各社でまったく違うため、黒字の出資者もいれば、赤字の出資者もいます。
もちろん各社独自に事業計画・収支計画は作りますが、ヒットするかは作品がオンエアされないとわからない、
しかも「ヒットするのは20本に1本」と言う人もいます。
昔はDVDの売り上げが委員会収支のメイン売り上げだったので、1巻目が売れても2巻目以降が売れないと赤字です。
今は海外会社への事前販売である程度の収支が見えますが、それでも国内配信の売上やグッズなどは、
オンエアされないとわかりません。
オンエアしないと黒字か赤字かわからない、なんて事業は継続性が低いので、
みんな、複数作品に出資をしてヒットに巡りあう確率を増やしたり、役割手数料やビジネスを変えたりしと、
委員会の出入金は複雑になっていきます。
深夜アニメビジネスがスタートして約20年、歴史と経緯が、ビジネスを複雑化させています。
中の人でないとわからない部分があるので、製作委員会の実態は見えにくくなっています。
Catchupの友人に金融系に勤めてるヤツがいるのですが、
「アニメ、なんであんなに金がかかるんだ・・・。しかも儲かるかわからん・・・。」とボヤいてました。
金融商品を取り扱うプロでもわからないのが、アニメビジネスなんですよね。
ただ、一つ言えるのは「どんなアニメもみんなに見てもらえるに必死に作っている」という事です。
見てもらえればファンが作品を支えてくれると信じています。
第1回は一般的な深夜アニメを想定して書きましたが、
第2回は、委員会と同じように「一生懸命アニメを作っている」仲間の「アニメスタジオとお金」についてお話したいと思います。
君は、刻の涙を見る・・・。