第1回は「製作委員会とお金」についてお話します。
アニメビジネスは歴史と時代の変化が折り重なり合い、とても複雑になっています。
また、作品によってメンバーが違うので、それも分かり難い要因になっています。
なので、細かい事は置いておいて「最近のアニメの一般的な製作委員会」を説明します。
前段でもお話した通り、委員会のメンバーは役割分担をします。
代表となる会社は「幹事」と、他の会社は「出資者」と呼ばれる事が多いです。
「幹事」の役割は、制作費を各社から集めたり、スタジオに制作費を支払ったり、「出資者」の意見や進捗を纏めたり、宣伝をしたりと、お仕事は多岐にわたります。
一方「出資者」は、委員会で決まった「特定の役割」を担います。
海外会社さんに権利を売る「出資者」、配信サイトに配信して貰う「出資者」、グッズやゲーム、フィギアを作ってもらうお願いをする「出資者」などです。
もちろん「幹事」が役割を担う事もあります。「幹事」や「出資者」は、役割から得られたお金を「役割手数料」として差し引いて、残ったお金が「委員会の売上」となり、各社の出資比率(%)に応じて分配されます。
最終的な委員会の収支を数式にすると「委員会の売上=各社の売り上げー各社の役割手数料ーアニメ制作費」となります。
何故「役割手数料」が必要か?
先ほど挙げた役割を実行するには、またお金が必要になります。
海外会社さんとのやり取りや配信会社さんとの商談などの営業コスト、商品を流通に乗せる物流コスト、ゲームの開発費、フィギアを作るときの金型代や倉庫代など「委員会の売上」に必要な経費がかかってますね。
まだまだお金はかかります。僕たちがTVで無料でアニメを見れているのは、作品の関係者がTVの放送枠を買ってくれているからです。
特に深夜アニメは夜中にやるので、中々CM費を出してくれる会社がいないので、出資者や関係社が出資金とは別に出してくれています。
ありがたやありがたや・・・。